2022年 07月 29日
ぶらさかば 町田の別所と小山田緑地を歩く2022年6月8日(水) ぶらさかば 町田の別所と小山田緑地を歩く
府中と町田を結ぶ現在の鎌倉街道は、多摩市で多摩丘陵を縦断している。稜線近くには東の稲城方面と西の橋本方面を結ぶ南多摩尾根幹線道路が交差している。ここが多摩卸売市場前の交差点である。標高は106m。京王多摩車庫前のバス停がある。多摩センター駅からは南東へ2㎞余りである。
ウォーキングコースは、里山の景色が残る別所から南西に進み、小野路宿、奈良ばい谷戸を通り、小山田緑地に至る。そこから北上してアサザ池を通り、尾根のよこやまの道に至る。東にたどってもとの多摩卸売市場の交差点までの約10㎞である.
天気は曇り、気温は20°以下であるが、湿度はある。9時30分、京王多摩車庫前バス停を出発。鎌倉街道を南に下って進む。4車線の道幅の広い道である。交通量は多い。稜線を境に南側は町田市である。道路脇には建物が並んでいるが、後ろ側は急斜面の緑地である。町田市の剪定木処理施設もある。サツキが花盛りである。
道路沿いには「無電中化」、電線の地中化を進めているとの掲示板があった。760mの区間で10年余りかかるようだ。先は長い。10分ほどで別所の交差点(標高72m)である。
別所から南西の車道を進む。急な坂が続いて、北側は緑地、南側は住宅地、資材置き場などがあり、歩道は草だらけで歩きにくい。自動車は通るが、人はあまり歩かない道路のようだ。坂道の上の標高は99m。途中からは下り坂になる。大きな霊園がある。T字路交差点(標高68m)を西に進むと、まもなく小野路里山交流館がある(標高71m)。
10時過ぎに到着した。町田市の施設で古い里山の街並みを再現している。建物の展示や野菜販売がある。すぐ脇の多摩センター方面と結ぶ道路も整備され、自動車のすれ違いができるようになっていた。
すぐ隣の高台が小野神社である(標高91m)。平安時代の972年ごろの創建と古い。りっぱな拝殿がある。神社の前の土手にはホタルブクロが群生していた。
10時15分出発。神社に西側の道を緩やかに登っていくと、緩やかな傾斜の上部は農地になっている。一部に牧場もあり、牛が飼育されていた(標高116m)。
道路脇に植えられたアジサイやカシワバアジサイは背丈以上に大きく生育している。牛の堆肥が効いているかも知れない。
細い山道を進むと林床が刈り払われ、ベンチが設置してある場所もあった。山道脇にはクマノミズキの白い花が咲いていた。ロウバイの実が大きくなっている。
樹木がトンネルのようになった細い道を抜けると、案内板のある山道に出た。
ここからが奈良ばい谷戸である(標高107m)。水田では稲が植えられている。斜面には炭焼窯がある。このあたりはボランティアによる里山の手入れが行われている。谷沿いの山道を10分ほど西に進むと、道路に出た。ここにはバイオトイレがある(標高76m)。
道路を横断すると、都立小山田緑地(面積44ha余)である。11時到着。丘陵の樹林地、草地、ため池、竹林、運動広場、見晴らし広場などがあり、変化に富んでいる。雨上がりで湿っているためか散策する人は少ない。溜池では水生動物の調査が行われていた。
溜池に沿って西に進み、モウソウチク林(標高104m)から管理事務所を通り、北上して谷の水田脇のコースを進む。この道は舗装されているが、自動車がやっと通れるほどの狭さである。
水田には稲が植えられているが、草地になっている場所もある。草地の中にオニグルミが生育している。アサザ池は水が少ない。ここには駐車場とトイレがある(標高98m)。11時30分、小川に沿ってさらに北に進む。
ゴルフ場の間を通る細い道を上る(標高124m)。広い道に出て東へ進み、T字路を北に登る。11時45分、ゴルフ練習場の上で、尾根のよこやまの道に合流した(標高138 m)。
横山の道を東に進み、住宅地の花を見ながら、一本杉公園脇の高い給水塔が見えるあたりで12時になった。公園の前を過ぎ、恵泉女学園大学、妙櫻寺を経て、スタート地点のバス停に12時15分到着した。
梅雨の最中、天気は曇りで20度以下と思われる。歩いていると少し汗ばむが、歩きやすかった。
里山を歩いて、不安な場所は、管理されていない場所、見通しがきかない場所、樹木が密生して暗い場所、ゴミが溜まっている場所、草に覆われた道路、仕切りのない雑然とした資材置き場などである。高い構造物で囲まれて内部がわからない敷地や荒れ果てた家屋は不気味である。
安心できる気持ちのよい空間は、見通しの良い道路や樹林地、身体に触れる草木がない場所、見晴らしがよい場所、草刈管理がしてある林縁、いろいろな樹木や野草のある景観地などがある。
巨樹や形状の良い独立木も荘厳で良い印象を作り出す。池沼や河川も安心安全な場から見ることが出来れば、開放感があり、眺望を楽しみ、自然観察が出来る。
里山では、農業生産に加えて、草刈り、ゴミ拾い、森林管理など常に手をかけて管理しているが人がいる。ありがたいことで、感謝申し上げます。
(坂場光雄)