2023年は、二十四節気の白露(9月8~22日)になっても暑い日が続いている。本日は曇りであるが、東京の最高気温は30度を超える予報である。
赤羽駅は1885年(明治18年)3月1日に開業した駅で、東北本線と赤羽線の2路線がある。1985年には埼京線が通り、便利になった。新宿から赤羽までは埼京線で、10.3㎞、14分で到達する。
駅の東側は平坦な低地であるが、西側は武蔵野台地の端部が突き出している。台地部分にある赤羽台は団地建設が行われ、1962年(昭和37年)から入居が開始された(3300戸)。2000年以降ヌーヴェル赤羽台への建て替えが進み、2018年に従前入居者の入居が完了した。
10時30分、赤羽駅北改札に3人が集合。週末のせいもあるのか、駅は人の出入りが多い。駅前西口の標高は5.8m。西口に出て坂道を進む。鉄道線路は1998年(平成10年)に高架になったが、それまではあかずの踏切で不便だったと参加者のKさんの話があった。この近くが仕事場だったとか。
丘を越えたあたりから低層住宅になり、樹木に覆われた遊歩道を西へ進む(標高5m)。南側の丘の上には大学の大きな建物が見える。500 mほど進むと、桐ヶ丘体育館があり、その前が桐ヶ丘中央公園(面積5ヘクタール余)である(標高10m)。
11時、公園の散策を開始。ケヤキやポプラ、ヒマラヤスギ、クスノキなどが大きく生育している。樹高は20m以上、直径は70~80cmほどある。草取りの管理をしている人たちがいた。ゆるやかに登っており、公園の出口は標高19mである。
三叉路を過ぎると、板橋区に入った。この辺りからは低層住宅地になり、商店街もある。11時35分、小豆沢公園(面積7ヘクタール余)に到着した(標高20m)。大きな体育館や温水プールのほか、テニスコート、野球場、屋外バスケット練習場、弓道場などがある。11時40分、ここで持参の昼食をとる。
12時10分、出発。西に進んでいくと、公園内に古い戸田橋親柱(昭和7年建設)が保存してあった。昭和53年に新しく橋が建設されたときに移築されたものである。石造りで街灯がついている。
山門を出ると、西側下は国道17号(中山道)である(標高22m)。北へ向かって緩やかに下ると、200m余で薬師の泉庭園(面積0.18ヘクタール)があった(標高19m)。「江戸名所図会」にも登場する名所であり、平成元年に復元されたそうだ。池や滝のある小さな回遊式庭園で中央にシダレザクラがある。周囲の樹木がやや大きくなって暗くなりつつあり、もう少し明るく管理してもよいような気がする。
12時42分、薬師の泉庭園を出ると、西側の道路の後ろ側に電車が見えた。地下鉄の都営三田線がこのあたりから地上に出て高架になって高島平方面につながっているそうだ。
国道17号北に進み大きな交差点を渡ると、東側の裏路が旧中山道である。道幅は広げられているようで、6mほどある。両側の建物は新しくなっている。道はゆるやかに曲がっている。500mほどで国道17号に合流した。
志村坂下の交差点(標高2.5m)から高島通を西に進む。南側の裏道をたどり、西に進むと13時7分、板橋区立城北公園(面積2.4ヘクタール余)に到着した。
13時31分出発、西に進むと、小さな神輿を運んでいる人たちに出会った。秋祭りの準備のようだ。道路にも祭り関係者が立っていた。蓮根駅の南側(標高2.8m)を通過し、住宅街を西に進む。
大きな道路わたり、赤塚公園通を西に進む。この通りは剪定されたモミジバフウの街路樹が整然と並んでいる。途中で交差する道路にはサルスベリの街路樹があり、花を付けていた。
500mほど進むと10階建て以上の団地が見えてきた。14時5分、団地の間の前谷津川緑道(標高5.6m)を北西方向に進む。団地の間に樹木の道が続いている。
14時23分、陸橋で高島平通りを渡る。道幅の広いこの通りの両側には緑地帯の樹木が大きく育っている。北側には都営三田線の高架も見える。
高架をくぐり、西に進むと、高島平駅に到着した(標高3m)。14時30分、散会した。
赤羽駅の東側は平坦な荒川低地である。東口の標高は5m程度である。西側は武蔵野台地で盛り上がっており、道路は地形の影響で曲がりくねっている。高い場所では標高が20mほどある。国道17号を過ぎると、平坦地になった。この辺りも荒川低地で標高は3~4mである。高島平の駅前も標高は3mである。
東京湾から20kmほど離れてもこの高低差は排水力の小ささを示している。防災には力がそそがれているとはいえ、常に意識しておく必要があると思われる。
約7㎞の行程でした。9月半ばを過ぎているが、暑い一日で、汗びっしょりでした。足を運び、汗を流しての活動は、記憶の片隅に残る。多くの情報が飛び交う中で、現場を訪れ、自分で確かめ、感じることが大切と思う。
坂場光雄
◆谷津田がある大月川源流部は、環境省が行っている「モニタリングサイト1000里地調査」に参加しています。里地里山という複雑な生態系の変化を全国レベルでとらえることを目指しています。
運営委員 上田隆 ~~千葉県袖ヶ浦市の谷津田でお米を作っています~~
7月15日(土) ぶらさかば 日野の緑地をめぐる
サヘル定例活動
JR中央線の日野駅は、新宿駅から約30㎞、立川駅から南西へ3.3㎞、八王子駅から北東へ6.6㎞付近にある。日野は甲州街道の宿場町として栄えてきた。1890年(明治23年)に甲武鉄道の駅として開業した。駅の北側を甲州街道が横断している。
駅の東側は住宅地が広がっており、西は駅前広場が整備中である。東側にある駅舎は古民家を移築したそうである。
参加者は2名。天気は曇りであるが、最高気温が30度を超える予報である。
700mほどで多摩川の堤防(標高75m)に出た。川の対岸は立川市である。大きな集合住宅が見える。下流側には中央線の鉄橋が見えた。現在の橋脚はコンクリートであるが、かつては日野で作られたレンガが使われたという。
堤防脇の土台にはレンガの痕跡が残っていた。橋脚が立つ川の下流側には堰があり、釣りのスポットになっていた。
堤防の上を東に進む。川沿いには草原が広がっている。500mほどで堤防を降りると住宅地で、電柱には想定浸水深の表示があり、多摩川が氾濫すると2.2m深の浸水の可能性があると記載してあった。昔の多摩川の氾濫で形成された土地のようだ。
11時10分、小学校を過ぎると、仲田の森蚕糸公園である(標高72m)。樹木が大きくなって緑陰となっている。この公園には水路が引き込まれており、網を持った子供たちが魚捕りをしていた。テントを張っている家族連れもいる。ロープのブランコもある。ワイルドな楽しそうな公園である。NPOが遊びやすいように協力して管理しているようだ。桑畑があった。
南側の道路を渡ると、市民の森スポーツ公園である(面積約4ヘクタール)。樹林に囲まれた中に陸上競技場があり、いくつかのチームの子供たちがサッカーの試合をやっていた。周囲には応援の家族も群れている。
グラウンドを回り、南に抜けて甲州街道に出ると、11時50分、日野宿交流館に到着した。(標高73m)。地域の拠点であり、観光案内所もある。二階には日野の歴史や文化を紹介した展示室があったので見学する。江戸時代の日野宿の模型や展示があり、多摩川の渡し、参勤交代、新選組、明治のレンガづくり、川の漁労などいろいろ楽しめた
12時15分出発、中央公園に向かうが、曲がる場所を間違えて、川崎街道を進み、日野バイパスに出た。ここで場所を確認し、急な西の坂道を600mほどあがり、交差点を西に進むと12時45分、日野中央公園に到着した(標高100m)。
日野中央公園(約2.3ヘクタール)は日野市役所に隣接しており、大きく生育した樹木群に覆われている。ここのベンチで昼食。歩いているときは汗ばむが、木陰は気持ちがよい。
13時15分、出発、樹木に覆われた公園を一周して南に向かい、バイパスを横断して坂を下る。上の大地と下の低地の間の斜面には樹林が連続している。樹林に沿って進むと神明野鳥の森公園である(標高87m)。
線路わきから山道を登り、線路の上の道路を西に進んで線路を超える(標高100m) 。住宅地を進むと、住宅の間に細い道があり、そこから下って水路沿いの道路に抜ける(標高84m)。
この斜面一帯が黒川清流公園である(面積約9,300㎡)。整備された水路にすんだ水が流れている。樹木が生い茂った斜面のところどころから湧水があり、合流している。水は冷たい。ここの湧水は東京の名湧水57選に選ばれているそうだ。斜面緑地は500m以上続いている。水路沿いには小さな池もあり、コイが泳いでいた。
水路沿いを歩き(標高87m)、上に向かう道路が見えたので、登っていき、階段を上がると、多摩平緑地通りに出た(標高102m)。大きな建物が見え、間もなく駅前のとおりである。14時10分、JR豊田駅に到着した(標高100m)。
ここから、京王線の平山城址公園駅を目指す。駅の南口広場は斜面の下である(標高92m)。エスカレーターで広場に降り、南に向かう。住宅地を抜けて進んだが、名湧水地を思い出し、日野中央図書館下まで戻る(標高84m)。
14時30分、斜面下の東京名湧水57選の湧水地に到着した。水路にはセキショウが生育している。近くの住宅地の側溝にはきれいな水が流れており、水辺に生えるミクリやカワヂシャの花が咲いていた。
ここから南に進み、浅川にかかる平山橋を渡る(標高85 m)。川沿いに進んで京王線の踏切を渡り、14時50分、平山城址公園駅に到着した(標高85m)。
日野駅の南側から日野市役所、豊田駅の西側は台地が広がり、住宅団地や大きな工業用地となっている。日野駅から北の多摩川の間から東一帯は低地が広がる。低地はたくさんの小水路があり、上流から水を引いて、農業が盛んだったと思われる。現在は住宅地と農地が点在している。
台地と低地の間には斜面緑地があり、緑と水の豊かな楽しい空間となっていた。また大きな公園や並木、歴史的な宿場町の環境、レンガ製造の痕跡などがあり、興味深く散策できた。
坂場光雄
<今回のコース>
JR日野駅-多摩川堤防鉄橋-仲田の森蚕糸公園-スポーツ公園-日野交流館-日野中央公園-野鳥の森公園-黒川清流公園-多摩平-JR豊田駅-中央図書館下湧水地-平山橋-京王平山城址公園駅